セルビア建国記念日のレセプションに出席いたしました。

今年の1月、唐突にセルビア共和国大使館からのメールを受信しました。

各位
セルビア共和国建国記念日を祝し、
2025年大阪・関西万博担当ジェネラルコミッショナー ジャルコ・マリノヴィッチおよびセルビア共和国特命全権大使 アレクサンドラ・コヴァチュより、謹んで以下にご招待申し上げます

 いきなりのご招待にびっくりです。しかし思い当たる節はあります!
 なぜわたしのようなド民間人がご招待を受けることになったかというと、われら2022年10月に達成した178人の同姓同名最大の集いギネス世界記録が、44ヵ国24種の言語で報道され、そのうちのBBCニュースを見たセルビアのメディアオーナー・ロベルトチョバンさんが企画を思いつき、98日後に首都ベオグラードで256人のミリツァ・ヨヴァノビッチさんの集いにあっけなく記録を破られました。それをきっかけにセルビアと国際同姓同名(International Same Name Association)を設立し、国際交流がはじまり、1年前にはアレクサンドラ・コヴァチュ駐日セルビア共和国特命全権大使に謁見することができました。
まったくもって想像的なかった展開でした。

もちろんご招待を断る理由はございません。「ドレスコード:ビジネス」に怯えながらも去年の早期退職後に初めての3ピースのスーツ正装モードで、セルビア大使館とセルビア政府共催のパーティ会場である明治記念館に向かいました。

入り口にはセルビア政府の大阪・関西万博担当ジェネラルコミッショナーのお出迎えを受けました。大使館の通訳の方がわたしをセルビア語でご紹介くださると、笑いとともに「Da Da」(”Da”はYesの意味です)とのご発言、的確に翻訳してくださったようです。わたしはご招待へのお礼と建国記念日のお祝いの言葉を恭しく述べました。

会場にてセルビアの建国記念日は「主の迎接祭」と重なると知りました。ここで会場の写真を混じえながら解説します。

まずセルビアの建国記念日は、1804年の第一次セルビア蜂起(オスマン帝国に対する反乱)の開始と1835年の最初のセルビア憲法(スレテニェ憲法)の公布を記念しています。
 セルビアは当時、オスマン帝国の支配下にありましたが、1804年2月15日、カラジョルジェが指導する蜂起が始まりセルビア人は自立的な統治機構を形成しましたが、1813年にはオスマン帝国によって鎮圧されました。しかし、この蜂起がセルビアの独立運動の基盤となり、後のセルビア公国(1815年の第二次蜂起後に成立)の誕生につながったそうです。
 また1835年2月15日、セルビア公国初の憲法「スレテニェ憲法(Sretenjski ustav)」が制定されました。これは当時のヨーロッパでも進歩的な憲法であり、三権分立(立法・行政・司法の分離)や国民の権利の保護を規定したそうです。このスレテニェ憲法はセルビアにおける近代国家形成の象徴的な出来事として記憶されているそうです。

セルビア国家斉唱

 一方「主の迎接祭」とは?
イエス・キリストが生後40日目に、モーセの律法に従いエルサレム神殿に連れて行かれた日を記念しているそうです。神殿でイエスを迎えた老人シメオンは、「この子こそ世界の救い主である」と預言しましたと聖書に記録が残っているとのこと(ルカ2:22-40)。
 つまり1804年の蜂起、1835年の憲法制定、そしてキリスト教的な伝統が、この日に重なっていることから、「セルビアの精神的・国家的な再生の日」として特別な意味を持っています。
 ちなみに主の迎接祭は、セルビアが唯一「建国記念日」と同日にしている国であり、他の国々では特に東方正教会とカトリック教会で広く祝われているそうです。

セルビア国家斉唱の後に続く、日本国家のフルートによる演奏を経て、冒頭コヴァチェ駐日大使がご挨拶されました。初対面の時も驚きましたが、大使は日本語がご堪能です。

続いてセルビア政府からジャーリッチ=コヴァチェヴィッチ行政・地方自治大臣のご挨拶です。大使といい大臣といい、女性が普通に国の要職に就ていらっしゃるとことに彼我の差を感じますね。
白いコック帽のシェフはわざわざ本国から来日し料理をふるまっていらっしゃいました。


はじめて食べるセルビア料理、豚肉のパプリカ煮「ムチュカリッツア」にはじめて飲むセルビアワインも新鮮な味で美味しかったです。こちらで買えるようです。

日本からも城内実経済安全保障担当大臣、藤井外務副大臣などのご来賓がご挨拶の重厚な公式行事でした。こちら、外務省のレポートのリンクです。

当初わたし一人の孤独でアウェイな状況を覚悟していたのですが、セルビアとは同姓同名以外のつながりがありました。発足から運営に携わる東日本大震災の被災地出身の子どもたちで構成される混成オーケストラである、東北ユースオーケストラ(坂本龍一監督)の指揮者がバルカン室内管弦楽団音楽監督でもある栁澤寿男さんで、そのご縁で元セルビア大使ご夫人の角崎悦子さんを存じ上げておりました。そんな奇縁で会場で「田中さん!」とお声がけくださいまして、ご夫妻で理事をお務めの日本セルビア協会の方々をご紹介くださいました。もちろん翌日にはタナカヒロカズ株式会社で法人会員、わたしは個人会員になりましたとも。顧問のお一人である上山直英大日本除虫菊株式会社代表取締役社長でセルビア共和国名誉総領事とご挨拶いたしました。「なぜ金鳥とセルビアが?」と思ったら、蚊取り線香の原材料である除虫菊は旧ユーゴスラビアが原産国なのだそうです。驚きのつながりはこちらのページでお読みいただけます。

こちらはメゾソプラノ歌手でセルビア議会議員のリュービツァ・ヴラネシュさん。角崎さんが「ぜひあの人とお話ししてみたいわ」とおっしゃったので、わたしも便乗してご挨拶、同姓同名が生んだセルビアとのご縁の話を披露したらウケました。セルビアの閣僚のみなさんにも国境を超えて理解される馬鹿馬鹿しさですね。まさかのユニバーサルなコンテンツ力に驚きました。
他にも東京外国語大学民族舞踊団「スィランガン」のみなさんによるセルビアの民族舞踊「コロ」も披露され、こちら別の機会でのパフォーマンスがSNSにアップれていたのでリンクを。

気分は万博セルビア館です。そう、大阪万博でもバルカン諸国で唯一の出展がありますので、タナカヒロカズ族としては要チェックです。

外交の舞台は陽キャな方々が多く、元カタール日本大使の北爪裕子夫人や京鐘の辻星野取締役、コヴァチュ駐日大使と記念写真で国際親善いたしました。

外交のプロトコールはよう知らんまま、人生2度目の”your excellency”と発声いたしました。礼装の貴婦人方の端に佇む私の付き人感満載に苦笑しております。
今年の大阪万博もさることながらセルビア館、2年後にはセルビア万博がベオグラードで開催されるそうで、タナカヒロカズ一行セルビア団体ツアーを実現し、草の根過ぎる民間外交を発展させたいものです。

今日2月15日はセルビア建国記念日ということで、Срећан Дан националне фондације!(建国記念日おめでとうございます)

今年の10月18日には、セルビアのミリツァ・ヨヴァノビッチさん256人の集いを抜き、再び同姓同名最大の集まりギネス世界記録を狙う、タナカヒロカズ運動全国大会2025を行います。せっかくなのでイベント内でセルビアとの交流コンテンツも検討したいですね。

引き続きタナカヒロカズ情報をお待ちしております。

国際同姓同名同盟(Intetnational Same Name Association)のサイトでは英語記事にしています。

ほぼ幹事の田中宏和

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