アレクサンドラ・コヴァチュ駐日セルビア共和国特命全権大使に謁見いたしました。

2月7日、はじめて訪れる高輪の高級住宅地に辿り着きました。

正面玄関に高々と国旗が掲げられたその建物は、セルビア共和国大使館です。

なぜ、またセルビア大使館にやってきたのか?
ちょうど一年前の2023年2月4日、セルビアの首都ベオグラードに256人のミリツァ・ヨヴァノビッチさんたちがショッピングモールに集まり、同姓同名最大の集まりのギネス世界記録を達成されました。われら178人のタナカヒロカズの記録は、わずか98日間で破られてしまったのです。東京の渋谷で成し遂げた記録が、世界三大通信社のフランスAFPのニュースとなり、BBCの動画ニュースになり、世界44ヵ国で報道されたことを確認した時は、「これはまずいな」と思いましたよ。近隣の中国、韓国の同姓同名の多さは知っていましたし、アメリカに本部を置くジム・スミス協会のような欧米の同姓同名団体の寝た子を起こすようなことになりやしないかと想像してはいました。
それがセルビアとは!

ほとんど地球の裏側と言えるセルビアという国に対する興味が俄然湧き起こりました。スラヴ系に多い「〜ビッチ」の名は「〜の子」の意味だということ。人口は700万人に満たず北海道と同じくらいの面積であること。さらに旧ユーゴスラビアからの民族紛争についての本も読みました。その後、ギネスチャレンジをオーガナイズしたロベルト・チョバンさんとコンタクトを取り、Zoomで会話してみたところ、なぜか意気投合したんですね。われわれの国は、ともに平和への想いが強いぞと。

そこで2月24日には同姓同名の集まりで国際交流する「国際同姓同名連盟(International Same Name Association)」を設立していました。

大使館の重厚な扉が開き、招き入れられると、そこはセルビア。

玄関の吹き抜けには、女子バスケットボールチームが2020年の東京オリンピックに出場した際に、会場のさいたま市に掲げられていた出場国バナーが飾ってありました。
その左の壁面を見ると、

額に飾られたユニフォームは、左がテニスのノバク・ジョコビッチ選手のサイン入りです。
右の二つはバスケットボールの代表チームのものです。去年のワールドカップでは、男子代表チームは準優勝、女子チームは準々決勝まで進んだ強豪国です。
われらの記録が抜かれた後に、日本テレビ『スッキリ』のスタジオに生出演の報告をした際に、コメンテーターの元プロテニス選手の杉山愛さんが、「セルビアは昔から小さな国なのにスポーツは強いんです」とおっしゃっていたことを思い出しました。
他にもバレーや水球、サッカーも強い。日本でもプレイしていたピクシーことドラガン・ストイコヴィッチさんは、現在セルビアの代表チームの監督なんだそうです。
振り返ると、銅像が。

エジソンを凌ぐとも評される天才発明家ニコラ・テスラさんです。交流電気、無線操縦、蛍光灯などを発明し、取得した特許は300にのぼると言われる、まさに「セルビアの英雄」です。
なんでもこの銅像は、東京電力の横浜の電気史料館から引越して、来訪者を出迎えるように鎮座されているとのことでした。イーロン・マスクが、自身の電気自動車のブランドネームにあやかったテスラさんは男前でもありました。
エレベーターで上階に向かい、入った応接間で、アレクサンドラ・コヴァチュ駐日セルビア共和国特命全権大使が温かく出迎えてくださいました。

コヴァチュ大使は、気品あふれる所作に優美な笑みを湛え、われわれの活動紹介を興味深く聞いてくださいました。今回の表敬訪問は、わたしが朝日新聞社の『AERA』の「現代の肖像」コーナーの密着取材を受ける中で、「せっかくだからセルビア大使にご挨拶したい」と編集部にお願いして実現できました。ライターは2004年に朝日新聞記者として、3人の田中宏和の出会いを取材してもらった浜田奈美さんです。20年前の出会いを演出してくれた浜田さんからは、事前に「田中さんは英語で説明されますか?」と問い合わせを受けたので、ひさびさに英語の資料をつくって説明しました。が、後半になって大使は日本語をお話しになることがわかりました(後で調べたら、ベオグラード大学言語学部で日本語と日本文学を学ばれたことが判明)。早く教えて欲しかった! さらにひさびさにスーツにネクタイ姿に変身し、髪も整えたつもりでしたが、後ろの髪が思い切り跳ねてました。カメラも担当した浜田さん、注意して欲しかった!

供されたトルココーヒーをいただきながら説明すると、当方250人の年齢幅や居住地、職業のバリエーションについて質問をいただきました。われらタナカヒロカズとミリツァ・ヨヴァノビッチとのギネス世界記録の競い合いはご存知だったようです。国際同姓同名連盟(ISNA)の共同設立者のロベルト・チョバン氏(カラー・メディア・コミュニケーションズというメディア企業のオーナー)もご存知でした。ISNAの意義をはっきりさせたほうが良いとのご意見をいただき、「同姓同名の集まりを通じた、民間レベルでの国際交流によって世界平和を実現することです」とお答えいたしました。
ご本人と同姓同名の歌手がいるとおっしゃるので、同姓同名コミュニティの面白さについて、その現代的意味について、力説いたしました。さらには、モダンアートの活動として、ニューヨーク近代美術館(MOMA)でのタナカヒロカズ展の野望もお伝えしたところ、「モニカ・メイヤーのように人の存在自体に意味があることを表現するアートですね」と聡明なリアクションを示してくださいました。
また大使からは日本とセルビアの一昨年140周年を迎えた、明治天皇の時代からはじまる長い友好関係について、両国のつながり、セルビア本国をPRする大使館の役割についてお話を伺いました。隣国コソボでセルビア系住民が迫害を受け緊張関係が高まっているという昨今の情勢も伺いました。こうなったら国際同姓同名連盟は、ウクライナでも、ガザ地区でも、バルカン半島でも、東アジアでも、国際平和のために、お役に立ちたいものです。
大使からは「今度大使館で講演してください」とも。もちろん喜んでセルビアのPRのご協力をいたします!
当初は15分の予定だったそうなのですが、結局しっかり1時間お話しできました。

国際同姓同名連盟を創設した2国として、今後ともよろしくお願いしますと記念撮影に。外交のプロトコル的には国旗の横に一介の小市民たるわたしが立ち、そのお隣に大使の並びのようです。

大使館撮影の記念写真でございます。はたしてタナカヒロカズを代表するだけの人物が、セルビアを代表するお方と対等に映っていていいのか!? という冷静なツッコミはさておき、セルビア大使館は気さくな対応をしてくださり、公式Xアカウントからも発信してくださいました。

ますますセルビアに対する興味が高まりました。大使館1階の展示もスマホで記録の撮影です。
こちらは民族衣装ですね。

さらにはセルビアワインも陳列されていました。

飲んだことはありませんが、こちらで買えますね。

タナカヒロカズ御一行で、ミリツァ・ヨヴァノビッチさんたちに会いに行く、セルビアツアーを実現したくなってきました。飛行機の搭乗カウンターで大混乱すること間違い無し!

アレクサンドラ・コヴァチュ大使はじめマリヤ・ペリシッチ一等参事官、富永正明職員、貴重な時間を割いていただきまして誠にありがとうございました。

最後に大使館前でライターの浜田さんに写真を撮ってもらったら、玄関の扉の金具でしょうか、まるで角を生やした鬼か、有角神のような姿になりました。
20年の時を経て、タナカヒロカズ運動の国際的なビッグバンの予感です。

International Same Name Associationサイトにも英語記事をアップしました。

引き続きタナカヒロカズさん情報をお待ちしています。

ほぼ幹事のタナカヒロカズ拝

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