1994年のプロ野球ドラフト会議をきっかけにはじまったタナカヒロカズ運動は、私、【ほぼ幹事】の田中宏和が、自分とは違うタナカヒロカズさんの情報を集め、会い、集まるということを続けていただけでした。それが31年後にまさか、世界に友達ができる活動になるとは、予想だにできませんした。
“Names Are Bridges”
日本では何の変哲もない「タナカヒロカズ」という名前によって、世界の名前とつながることができたのです。
2025年11月3日(月)から9日(日)の7日間、ハンガリーとセルビアを車で巡り、両国の同姓同名グループ関係者と会う旅、ISNA(International Same Name Association)Friendship Tour 2025/国際同姓同名連盟フレンドシップツアー2025を【ほぼ幹事】の田中宏和と【レコード】の田中宏和の二人のタナカヒロカズで実施しました。
このページではその概要だけを紹介します。結果的に瑣末な情報が多いのは芸風とご容赦ください。そのうちにレポートを公開する予定なので、これは予告編的な位置付けです。
1日目:11月3日
今回の予定から旅はハンガリーの首都、ブダペストからはじまりました。街全体が世界遺産の「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい都市でした。周りでも「ブタペスト」と「ダ」の濁音が認識されていないことが多い街で、私も訪問直前までそうでした。

ドナウ川を挟んで「ブダ」地区と「ペスト地区」に分かれます。こちらブダ地区の丘から眺めたドナウの眺め、左手に「世界一美しい」と言われる国会議事堂が見えます。
こちらブダ地区にある日本大使館を訪問しました。

一等書記官からハンガリーと日本の友好関係について、親日的なハンガリー人について伺うとともに、我々の活動が日本初のオリジナルな、ユニークな国際親善活動であることうれしく思うとご高評頂戴することができました。これからの旅に大きな自信となりました。

建物正面の菊の御紋を背景に2人のタナカヒロカズで記念写真まで撮っていただけました。
さっそくこの日、レンタカーで向かったのは、ハンガリー南部の最大の都市、といっても人口約16万人のセゲドという街でした。今回の旅行プランについてはChatGPTのお世話になったのですが、ブダペストからいきなり車で非EU国であるセルビアに入国するのではなく、セルビア国境がすぐ近くのこの街で一泊して余裕をみて翌日のクロスボーダーを薦められたのでした。
外国でのホテルのチェックインに欠かせないのはパスポートの提示です。今回我ら2人のタナカヒロカズの方針としては、フロント係に気づかれる前に自分たちで同姓同名を申告しよう、です。予約の時点では「タナカヒロカズさんが2部屋の予約をしている」しかわからないですから。

翌日の訪問地、セルビアのノヴィサド出身だという彼には、3年前に178人のタナカヒロカズが東京に集まってギネス世界記録を取ったらBBCニュースで報道され、それを見たセルビア人が「この記録は簡単に抜ける」と実際98日後にベオグラードで256人のミリツァ・ヨヴァノビッチさんの集いが実現して記録が更新され、それをきっかけに国際同姓同名連盟を立ち上げ交流していたら、今年の3月にハンガリーの同姓同名グループから連絡をもらい、今週末に集まるコヴァーチ・バラージュ会議に招待され、参加するために来たのだ、と話しました。
すると「ISNAはクールだ!」「友達をつくる新しいアイデアだ」と面白がってくれ、渡したISNAステッカーをしげしげと眺めていました。この旅では、このエピソード紹介とオリジナルステッカーのプレゼントを一体何人を相手にするのだろうと思いましたね。

セゲドの奉納教会は、おとぎの国の建物のようでありました。
2日目:11月4日
セゲドにも温泉がありました。さすが「温泉大国」です。
アンナ温泉は病院に併設されていて、この地では温泉が医療行為であることがわかります。
温水プール式などいくつかの浴槽がある中、雰囲気の良い湯に先客が一人いました。
ひるむことなく突入してみたら、見覚えのないアジア人に向こうから話かけてこられました。

「日本から来た」と答えると、お茶の水博士に似た人は、
「YouTubeで日本の木造建築を見るのが好きだ。釘を使わずに組み合わせる工法が素晴らしい」と熱く絶賛したかと思えば、「日本の音楽家も大好きだ。セイジ・オザワのレコードを集めている」と言い出したのです。
そこで前日に日本大使館で聞いた、ハンガリーで一番有名な日本人について尋ねてみました。その人物の話については、またあらためて。
セゲドから発車すると、瞬く間に国境が近づいてきました。
ハンガリー出国、セルビア入国、そしてセルビアでの通関の3ステップです。
3段階に応じて対応する人の人相が着実に険しくなっていきました。
セルビア入国時にはもちろん「私たちは同じ名前です」と申告しましたが、「あ、そう」とつれない態度。同姓同名は普通の出来事なのか。
通関検査官はマトリックスに出てくる悪役のよう。

二人のパスポートを確認し、「日本からか。おー、KYOTOか!」と言ってくれました。
出生地が国際ブランドなのだと初めて自覚できました。
トランクを開けさせられて、スーツケースを指差し、「何が入っている?」と問われました。「えーっと、タナカヒロカズ干し芋がたくさん入っています」とは答えず、「衣類」とだけ答えたら、なんと「OK!」とあっけなく検査終了。
京都ブランドパスポートは使える!
セルビア第2の都市、ノヴィサドには用事がありました。
国際同姓同名、田中宏和の会で後援している「日本・セルビア音楽交流コンサート」の公演鑑賞です。

平岡貴子(ソプラノ)、イェレナ・コンチャル(メゾ・ソプラノ)、門田佳子(ピアノ)からなるトリオ「結(YUI)」によるコンサートでした。
朝風呂から感じる、国境を超えて人と人をつなぐ音楽の偉大な影響力でした。
メンバー、スタッフとの打ち上げに参加し、その店のウェイトレスさんの名を聞けば、
「Katarina Jovanović 」(カタリーナ・ヨヴァノビッチ)。
思わず「惜しい!」と日本語で言いました。
もちろん記念撮影はしましたとも。

3日目:11月5日
前日に地元に人から「ノヴィサドに来たなら必ず行け!」と言われた、ペトロヴァラディン要塞へ。いまだにこの名前はすらすらと言えません。
セルビアの高校生の修学旅行的な一団がいました。

もう一人日本語がプリントされたトレーナーを着ていた男子高校生がいましたから、日本語が普通に普及していると解釈したほうがいいのかも、です。
車で移動して着いたベオグラードは想像以上の大都会でした。第2の都市との差がありすぎるのですよ。
待ち合わせに指定されたホテルで行われていたカンファレンスに出席していたセルビアのメディアオーナー、ロベルト・チョバンさんと一年半ぶりに再会しました。

やっぱりデカかった。
チョバンさんと話した後に、ホテルにチェックインしようとしたらホテルには駐車場がないことがわかり、【レコード】さんが車を停めてフロントに聞きに行っている2、3分間、私がベオグラードのレストラン情報を調べていたら警察官二人が車を睨みつけているではありませんか。
駐車違反でした。500ユーロの罰金を払えとのこと。

フロントの女性が執りなしてくれて、どんな解決に至ったかは、またあらためてレポートします。

セルビア料理店でのディナーで登場したパプリカのサラダです。
デカかった。
結局、ツアーの1週間は毎日パプリカとポテトを食べていました。
4日目:11月6日
ベオグラードの日本大使館に伺いました。

ブダペストの日本大使館と違い、入り口でスマホやPCなどすべての通信機器を預けなくてはなりませんでした。この緊張感が国全体にも感じるハンガリーとの差でした。
あらかじめ申告していたカメラのおかげで、実に興味深い、貴重なお話をしていただいたお二人と記録写真を撮ることができました。

職員の方に「ぜひ見ておくと良いですよ」と薦められた、NATO軍の空爆によるトマホークが刺さったビルです。

ダークツーリズムの極みというか、壁面にはセルビア軍の広告があり、プロパガンダの極みでもあると確認できました。
ベオグラードの中心部の通りに2027年のエキスポ、ベオグラード万博のバナーを確認できました。

ミャクミャクに比べると地味ですが、コンセプトの“Play for Humanity”が素晴らしいので、ISNAとしては何とか参加できないものかと策を練っております。
セルビア料理のテラス席では、お店のマスコットが近寄ってきてくれました。

今朝の隣国では犬でしたが、こちらでは黒猫に好かれたようです。
5日目:11月7日
翌朝は「ベオグラードに来たなら必ず行け!」とネットに情報が出ていた、ベオグラード要塞へ。こちらはスラスラと言うことができます。

二日続けて朝に要塞に行くなんて、これが海外旅行の醍醐味です。
もう「私のドナウよ。私の心を、その雄渾な流れとともに清めておくれ」と吟じたくなってきています。
チェックアウト時にお世話になったホテルのエレベーターに閉じ込められたので、フロントの女性に協力をお願いしました。

彼女たちは「コマーシャルね」と微笑んでくれました。
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車をスタートさせ、ナビに打ち込んだ場所は「BIG FASHION」です。そこは我々の178人のタナカヒロカズ同姓同名の最大の集まりギネス世界記録が、256人のミリツァ・ヨヴァノビッチさんたちによって破られた場所、我々にとっての聖地巡礼です。

何度も見た集合写真の場所はここかと感慨深いものがありました。
私、一人で立ってみました。

撮影は【レコード】のタナカヒロカズさんです。二人のタナカヒロカズのギャザリングで、セルビアの記録への敬意を示しました。
さて今日のうちにハンガリー、つまりEU圏域に戻らねばなりません。しかし、最初の国境検問所では、ここは小さいので非EU民はビザがないと駄目だと拒絶されました。車によるクロスボーダーを試みる方には重要なポイントです。ChatGPTにあらかじめ聞いておけば良かった・・・。つまり、想像力をもってChatGPTを使う能力が無いと、生成AIをコンシェルジェにする旅でもこのようなことが起きるのですね。
セルビア出国、ハンガリー入国、ハンガリーの通関の3ステップでは、最初の2ステップまでは、ベオグラードの日本大使館の方がおっしゃっていた「日本のパスポートは最強ですから」を実感できましたが、通関ではトランクの荷物のうちの二つを「開けろ」と言われました。

非EUからEUの入国は厳しいということなのでしょうね。
今回のメインイベントのあるペーチに到着したら夜でした。

ついに明日のイベントの発起人、コヴァーチ・バラージュの会の「ほぼ幹事」である、ドクター・コヴァーチ・バラージュと対面して話をすることができました。ペーチ大学の同僚の日本人、タクトさんにも声をかけてくれていました。

翌日はこのツアーのメインイベントのため、私は夜中までホテルの部屋でプレゼンテーションの練習をしました。
6日目:11月8日
ついにコヴァーチ・バラージュ・カンファレンスの当日です。
場所は美しい大聖堂の横にあるビジターセンターでした。


もちろん『全員タナカヒロカズ』ではなく、「全員コヴァーチ・バラージュ」です。
光栄なことに第一回コヴァーチ・バラージュ・カンファレンスのオープニング・スピーチをご依頼いただきました。

先月のギネスチャレンジイベントが終わってからの残務があり、このプレゼンテーション資料に着手できたのは行きの飛行機の中からでした。ツアーの合間に資料をつくり、読み原稿を検討し、時差ボケで夜中に起きたら読み練習。ちょっと時間ができたらホテルの部屋で読み練習。なんとか滞りなく終えることができました。
スピーチの終盤、我々の組織は世界平和の実現を目指すのだと述べる場面では、我ながら「なんという地点まで来てしまったのか」という想いもよぎりましたが、観衆からの拍手に助けられました。
「まさかこんなことになるとは」冥利につきますね。
イベントの休憩時間に、Varga Dániel(ヴァルガ・ダニエル)さんが、「自分も同姓同名の詰まりをしたい」と言ってきてくれました。

地元メディアの二つからインタビューしたいと依頼を受けました。

こちらインタビュー受けしたハンガリーのメディアによる報道のYouTubeです。
“Mit keres két Tanaka Hirokazu a Kovács Balázsok konferenciáján?” (videóriport a Mecseki Müzlin)
「なぜ2人のタナカヒロカズがコヴァーチ・バラージュたちの会議にいるのか?」
(メチェキ・ミューズリンによるビデオリポート)
Kovács Balázsok konferenciája – HÍR TV+
あと以下のEuronewsの自動翻訳はお薦めです。
“Azonos nevűeket kötött össze, de a sokszínűségről szólt a Kovács Balázsok konferenciája” (Euronews)
「同姓同名の人々をつないだが、その本質は“多様性”について語る会議だった — コヴァーチ・バラージュたちのカンファレンス」
もはや慣れてきたタナカヒロカズ干し芋を持ってのコマーシャル・フォトです。

コヴァーチ・バラージュさんです。

もちろんコヴァーチ・バラージュさんです。

2次会のDJももちろんコヴァーチ・バラージュさんです。

言うまでもなくコヴァーチ・バラージュさんです。

コヴァーチ・バラージュさんではありません。
しかしカンファレンスには、お一人女性のコヴァーチ・バラージュさんがいらっしゃいました。

日本におけるタナカヒロカズの集会と同じで、もはやコヴァーチ・バラージュさんではなくても「拡張親族」的な和やかな場になるのが、同姓同名ギャザリングを中心とした人と人をつなぐパワーなのです。

「あ、オープニング・スピーチの人ね」と笑顔で送り出してもらえました。
たぶんコヴァーチ・バラージュさんが混じっているはずです。
7日目:11月9日
2日目の会場で最初に話したのもコヴァーチ・バラージュさん。

なんと拙著『全員タナカヒロカズ』をしげしげと眺め、めくってくれているのは、日本語を勉強中だからだそうです。聞けば、日本のアニメとマンガから興味なのだそう。という人たちに今回のツアーで何人も会いました。
2日目の朝イチは主宰者のコヴァーチ・バラージュさん、私の中では「ドクターさん」とあだ名づけしている、「Interactive web-based sonification solutions」というプレゼンテーションでした。

うれしいことに「Hirokazu Tanaka」の文字も入れて、音を出して聴かせてくれました。
こちら物販コーナーは、ドクター・コヴァーチ・バラージュのお子さんたちです。

全員コヴァーチは全員似ていました。

ドクターに「そろそろ我らは出発します」と一声かけて、

大聖堂をバックに記念写真を撮りました。タナカヒロカズさんと出会っていたら、コヴァーチ・バラージュさんという友達ができました。
車でブダペストに戻ると、ドナウ川です。

もはや「ただいま」と言いたくなるドナウ川の眺めです。
ISNA(International Same Name Association)Friendshipi Tour 2025/国際同姓同名連盟フレンドシップツアー2025の公式日程は終わりました。

あらためて”Names Are Bridges”です。
同じ名前の偶然が、人と人、家族、文化、歴史など、さまざまなものを結びつけてくれました。
ISNA will continue to build a world where
coincidences become connections,
and connections become peace.
ISNA/国際同姓同名連盟は、偶然の結びつきから生まれる平和を希求します。











































